当院ではマイナス1歳からの歯科受診を推奨しています。

妊娠前1年〜妊娠中はこれから生まれてくる赤ちゃんのために様々な準備をする必要があります。

①まず、お母さん(妊婦さん)のお口の中が不潔だと、赤ちゃんの早産(低体重出生)の可能性が高まります。

そのため、妊娠期間はお口の中を清潔に保つことが大切です。一方で、妊娠中は悪阻の影響や歯科治療そのものが治療回数がかかるなどの理由から予定通りに治療を進められない可能性もあります。そこで、妊娠前1年(マイナス1歳)からの管理が大切となります。

②必要な栄養を摂りましょう!

赤ちゃんへの栄養は、お母さんの血液の流れにのって届きます。

歯の源をつくる → タンパク質

歯を強くする(石灰化) → カルシウムとリン

エナメル質(歯の表面) → ビタミンA

象牙質(歯の内側) → ビタミンC

カルシウム代謝をお助け → ビタミンDやE

顎は妊娠8週、乳歯は妊娠9週からでき始めます。

乳児期・離乳期

歯並びの土台は授乳のときから作られます。また、離乳してからは”食べ方”と”何を食べるか”が重要です。

これがうまくいかないと、あごが十分に成長せず、歯並びが悪くなるなどの影響が出てしまいます。

幼児期(就学前)

小学校低学年

小学校高学年

中学・高校・大学

当院では成長著しい時期の早期介入を推奨しています。

その根拠になる「スキャモンの発育曲線」と「臨界期」という考え方があります。

この図は「スキャモンの発育曲線」といいます。ヒトは生まれてから20歳になるまで身長や臓器が成長発達していきますが、その様子をグラフにしたものです。

たとえば、神経系(青線)は脳や脊髄、視覚器などの神経系や感覚器系の成長を示したものです。神経系は生まれてから一気に発達し、10歳ころまでには20歳の100%の状態にまで達します。歯科の範囲で言うと、上顎の発達がココに分類されます。

次に一般型(赤線)は身長や体重、筋肉、骨格などの成長を示したものです。これは2段階でピークをむかえ、1回目は生まれてすぐの時期、2回目は12歳頃の思春期呼ばれる時期です。下顎の成長がココに分類されます。

上顎の成長が遅れている場合には、10歳ころまでに然るべき対応が必要です。どうでしょうか、子供の成長発達は早期から著しく、さらにピークを迎え完成するまでが10代前半でくるというのは、思ってたより早くないでしょうか?ここが早期介入が必要な理由です。

さらにもう1つ、「臨界期」という概念も大切です。臨界期とは成長において刺激や経験を得た時にその効果が最大に現れる時期のことです。

例えば、視力の臨界期は0〜2歳と言われており、この時期に視力を使用し鍛え能力を高めておかないとその後の発達は見込めず、退化(視力低下など)も平均より早くなってしまう可能性があるといういことです。(動物実験では生まれてすぐに目を覆われ視力を使用することないと、その後目隠しを外しても視力は備わらず失明したという結果がでています)本来体に備わっている多くの機能の臨界期は生まれた直後から10歳くらいまでです。この時期に多くの刺激を与え、潜在能力を十二分に高め、一生涯健やかに過ごせる力を培わせることが私たちの使命でもあります。