鼻で呼吸していますか?
「あなたはどこで呼吸していますか?」という質問に、みなさんどのようにお答えするでしょうか?
最近の子供達は「口で呼吸する」と答えるそうです。しかし、これは人体にとって正しくない呼吸法で体に様々な影響を及ぼすと言われています。正しい呼吸法は「鼻で呼吸する」方法です。
ではなぜ、「口で呼吸する(口呼吸)」より「鼻で呼吸する(鼻呼吸)」のほうがよいのでしょうか?実はそこには多くのメリットがあります。
まずよく知られているのは「バイ菌やホコリなどの侵入を防ぐ」というフィルターとしての役割です。鼻には鼻毛や粘膜などで体に害をなす物質を体に取り込まないフィルターの役割を担ってい
ます。これは非常に有効で、口呼吸で口から外気を吸ってしまうと、フィルターを通さずに直接ノド(扁桃)に外気が触れてしまうことでアレルギーや風邪の原因物質を体に取り込みやすくなってしまいます。
次に「外気を加湿する」という役割です。乾いた外気が体内に入る時、口を通って体内に入るよりも鼻を通って体内に入る方が加湿でき、呼吸器の乾燥を防ぎ様々な刺激を和らげると言われています。
3つ目は「脳のクーラー」としての役割です。鼻呼吸によって外気が鼻腔を通る時に脳幹や下垂体の近くを通ります。この時、外気によって下垂体を冷やしてくれます。下垂体は成長ホルモンや甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモンなど8種類のホルモンを放出し体調のバランスを整えております。口呼吸によってこの下垂体が十分に冷やされないと”過度な使用によって熱を持った電子機器”と同じように正常に機能することができなくなります。
他にも、口呼吸によるデメリットは右のイラストのように多数あります。口呼吸の方はリラックスしているときにお口がぽかんっと開いています(これをお口ポカンと私たちは呼んでいます)。ご自身、ご家族(特にお子様)に見られた場合には、要注意です。
鼻詰まりによる口呼吸といったわかりやすい原因のこともありますが、口呼吸は原因がはっきりせず隠れていることも多いため、まずは歯科あるいは耳鼻科を受診して原因を見つけ治療を行いましょう。鼻呼吸でより健康的な生活を送るためにも検査を受けることをお勧めします。
当院でも対応可能ですので、お声がけください!
次回は口呼吸(お口ポカン)によって起こるお口のトラブルについてお話しします。